※当ブログ記事は、書籍『サービス・マーケティング -- コンサル会社のプロジェクト・ファイルから学ぶ』を読んで、自分の理解用にまとめたノートの写しです。
著者の理解力が不足しており原著の内容と異なる点が含まれる可能性があります。
サービスはどういう特性を持ったものか
サービス・マーケティングという考え方が広まったが、旧来のモノのマーケティングとはどう違うのか。
前回のブログでは、サービスは「提供されるなんらかの価値」だとまとめた。
抽象的に捉えると、何らかの価値を創造するには、
対象 × 動作
が必要になる。
対象とは、価値を享受する人間やモノのこと。動作とは、価値を実際に生み出すなんらかの物理的な行動のこと。
例えば、急な来客で近所の和菓子屋に駆け込んだとすれば、
対象 = 購入者
動作 = 和菓子の販売
で、
価値 = 茶菓子の用意が間に合ってホッ。
となる。
ここで注意。
モノのマーケティングの考え方では、和菓子屋が提供し、購入者がお金を払うのは「和菓子」というモノであった。
サービス・マーケティングでは、『和菓子を購入する』という行動で生まれた享受者の心情や身体の変化こそが"価値"であり、お金をはらう対象になるので、購入者は「茶菓子の用意が間に合ってホッ」という状況にお金を払っていることになる。
対象 × 動作 の式によってサービスについて表すことができるが、対象と動作の性質によって、サービスを4つに分類することができる。
分類することで、類似の性質を持った業種を理解し、自分のビジネスの発展のヒントを得るための分類だ。
①対象が「人」で、動作が「有形の働きかけ」
②対象が「人」で、動作が「無形の働きかけ」
③対象が「人の所有物」で、動作が「有形の働きかけ」
④対象が「人の所有物」で、動作が「無形の働きかけ」
※「働きかけ」自体が無形の行為なので、「有形の働きかけ」という概念が理解しづらいが、ようは実際に対象に手を加えて変質させることで価値を生み出すプロセスのことだと捉える。
①の例が美容室でのヘアカット、②の例が教育、③の例がクリーニング、④の例が家計簿アプリ。
補足すると、②は人に対して教育を行うが、提供者が人自体を変質させるわけではないので無形の働きかけだと言える。④はつまり無形の所有物への価値提供なので、人の所有物である時間を節約させることで価値を提供する家計簿アプリが例になる。
これらに全て当てはまる特性、つまり「サービス」の性質とは、まとめると以下の4つだと考えられそうだ。
- 無形性
- 目に見える形がない。
- "ヘアカット"という行為自体に形はない
- 目に見える形がない。
- 同時性
- 享受者が提供者と同場所にいる必要がある(基本的に)
- 変動性
- ときどきで提供内容が変わる。
- 属人性によるものである場合も
- 変動することが必ずしも良いわけではない
- 使いづらい家計簿アプリは提供価値が少ない
- ときどきで提供内容が変わる。
- 非在庫性
- 貯蔵が不可能
- 「シャツのシワが伸びて会社に着ていける状態」を貯蔵することはできない
- 貯蔵が不可能